“一巻”のいろいろな読み方と例文
旧字:一卷
読み方割合
ひとまき68.8%
いちかん6.3%
いちくわん6.3%
いちまき6.3%
いっかん6.3%
ひとま6.3%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
と叫んで、女房桟敷の方へ、唐織物一巻ひとまきを投げていた。それが宙で解けて、女房たちの手の上で虹を描いたので、わっと、人々がはやしたりした。
私本太平記:01 あしかが帖 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
横佩家の郎女が、称讃浄土仏摂受経しょうさんじょうどぶつしょうじゅぎょうを写しはじめたのも、其頃からであった。父の心づくしの贈り物の中で、一番、姫君の心をにぎやかにしたのは、此新訳の阿弥陀経あみだきょう一巻いちかんであった。
死者の書 (新字新仮名) / 折口信夫(著)
横佩家の郎女いらつめが、称讃浄土摂受経しようさんじやうどせふじゆきやうを写しはじめたのも、其頃からであつた。父の心づくしの贈り物の中で、一番郎女の心を明るくしたのは、此新訳の阿弥陀経一巻いちくわんであつた。
死者の書:――初稿版―― (新字旧仮名) / 折口信夫(著)
飛鳥山あすかやまの茶店で多勢おおぜい芸者や落語家はなしかを連れた一巻いちまきと落ち合って、向うがからかい半分に無理いした酒に、お前は恐ろしく酔ってしまって
深川女房 (新字新仮名) / 小栗風葉(著)
わかちてからうたに物せし一巻いっかんをもみたりし事あればわが生れたる牛込の里ちかきあたりのけしきもなつかしくこゝにその題を
ゆかの上に引きずった着物は「あびと」ととなえる僧衣らしい。そう云えば「こんたつ」ととなえる念珠ねんじゅ手頸てくび一巻ひとまき巻いたのち、かすかに青珠あおたまを垂らしている。
おしの (新字新仮名) / 芥川竜之介(著)