一寸法師いっすんぼうし)” の例文
そこで一寸法師いっすんぼうしは、ぞう背中せなかへくるりとしゃっちょこ立ちをしました。かと思うとまたまたくるりと起き上がり、行列を見かえって
曲馬団の「トッテンカン」 (新字新仮名) / 下村千秋(著)
宰相殿さいしょうどのはなおなおおおこりになって、一寸法師いっすんぼうしにいいつけて、おひめさまをお屋敷やしきからして、どこかとおところてさせました。
一寸法師 (新字新仮名) / 楠山正雄(著)
この歌をうたって山の近くでたき火をしていると、一寸法師いっすんぼうし子僧こぞうが火にあたりに山から飛んでくる、というのです。
お山の爺さん (新字新仮名) / 豊島与志雄(著)
その一寸法師いっすんぼうしみたいなやつが、落ちつきはらって、老人のようなおもおもしい声でものをいっているのですから、じつになんとも形容のできないきみ悪さです。
怪人二十面相 (新字新仮名) / 江戸川乱歩(著)
一寸法師いっすんぼうしの話に出てくる鬼も一身の危険を顧みず、物詣ものもうでの姫君に見とれていたらしい。なるほど大江山おおえやま酒顛童子しゅてんどうじ羅生門らしょうもん茨木童子いばらぎどうじ稀代きだいの悪人のように思われている。
桃太郎 (新字新仮名) / 芥川竜之介(著)
「いやはや、こいつがいっそ二つ頭の化け物か、または一寸法師いっすんぼうしででもあったなら……」
ありのお手玉、三角帽子さんかくぼうしの、一寸法師いっすんぼうしのちいさなけまり
「これこれ、このおかたをだれだとおもう。三条さんじょう宰相殿さいしょうどの姫君ひめぎみだぞ。うっかり失礼しつれいなまねをすると、この一寸法師いっすんぼうし承知しょうちしないぞ。」
一寸法師 (新字新仮名) / 楠山正雄(著)
なんと皆さんは、私の足もとにもとどかぬかわいそうな一寸法師いっすんぼうしとなったではありませんか。くやしかったらここへ来て私と背くらべをしてみなされ、エヘン。
曲馬団の「トッテンカン」 (新字新仮名) / 下村千秋(著)
この土蜘蛛と云うのは、昔神武天皇じんむてんのう様が御征伐になった事のある、一寸法師いっすんぼうしの悪者なのです。
犬と笛 (新字新仮名) / 芥川竜之介(著)
それから、いちばんずるいのは、山の小僧こぞうですね。なんでしょう、あれは……。一寸法師いっすんぼうしみたいで、そして全身はまっ白で……。帽子をかぶってるのか、髪の毛がのびてるのか、わかりません。
山の別荘の少年 (新字新仮名) / 豊島与志雄(著)
そいつは、一寸法師いっすんぼうしみたいなまっ黒なやつでした。
おれは二十面相だ (新字新仮名) / 江戸川乱歩(著)
一寸法師いっすんぼうしはとんだことをいいして、おひめさまがされるようになったので、すっかりどくになってしまいました。
一寸法師 (新字新仮名) / 楠山正雄(著)
これまでの象使いはれい一寸法師いっすんぼうしでしたが、一寸法師には、片足かたあしを上げさせたり、ラッパをかせたり、碁盤ごばんの上へ乗せたりするぐらいしか出来ませんでした。
曲馬団の「トッテンカン」 (新字新仮名) / 下村千秋(著)
一寸法師いっすんぼうしという、かたわものなのでしょう。
超人ニコラ (新字新仮名) / 江戸川乱歩(著)
一寸法師いっすんぼうし
灰色の巨人 (新字新仮名) / 江戸川乱歩(著)