“やりさき”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
槍先35.3%
槍尖35.3%
鎗先11.8%
槍鋒5.9%
鎗尖5.9%
鑓先5.9%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
しかる処へ、奥方連おくがたづれのお乗込みは、これは学問修業より、槍先やりさきの功名、ととなえてい、とこう云うてな。
錦染滝白糸:――其一幕―― (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
それは神経衰弱的な恐迫観念がときどき槍尖やりさきのように自分を襲って来たが、しかし、最後の落ち着きどころは空虚と見究みきわめがついていたので、まだ自暴自棄じぼうじきの痛快味があった。
宝永噴火 (新字新仮名) / 岡本かの子(著)
もはや町々をかために来る近衛このえ騎兵の一隊が勇ましい馬蹄ばていの音も聞こえようかというころになった。その鎗先やりさきにかざす紅白の小旗を今か今かと待ち受け顔な人々は彼の右にも左にもあった。
夜明け前:04 第二部下 (新字新仮名) / 島崎藤村(著)
と怒りの声を振立てながら、一歩ひとあし進んで繰出くりだ槍鋒やりさき鋭く突きかける。
すでにその鎗尖やりさきのかがやきはかなたの丘の上にひらめけり。
東京景物詩及其他 (新字旧仮名) / 北原白秋(著)
跡部あとべ大筒方おほづゝかたの首を斬らせて、鑓先やりさきつらぬかせ、市中しちゆうを持ち歩かせた。後にこの戦死した唯一のさむらひが、途中から大塩の同勢どうぜいに加はつた浪人梅田だと云ふことが知れた。
大塩平八郎 (新字旧仮名) / 森鴎外(著)