“ちょきぶね”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
猪牙船55.6%
猪牙舟44.4%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
神田川のすそになった川面かわづら微藍うすあいの色をしたうしお中高なかだかにとろりとたたえて、客を乗せた一そう猪牙船ちょきぶねが大川の方へ出ようとして、あとを泥絵の絵具のように一筋長くいんしているのが見えた。
鼓の音 (新字新仮名) / 田中貢太郎(著)
……墨堤の桜……ボート競漕……川開きの花火……両国の角力すもうや菊……さては又、歌沢うたざわの心意気や浮世絵に残る網舟……遊山船、待乳まつち山の雪見船、吉原通いの猪牙船ちょきぶね……群れ飛ぶ都鳥……。
この時もう我々の猪牙舟ちょきぶねは、元の御厩橋おうまやばしの下をくぐりぬけて、かすかな舟脚ふなあしを夜の水に残しながら、彼是かれこれ駒形こまかたの並木近くへさしかかっていたのです。
開化の良人 (新字新仮名) / 芥川竜之介(著)
印のある提灯ちょうちんで桟橋まで送られた二人は、待っていた猪牙舟ちょきぶねに乗って河岸をはなれた。
新潮記 (新字新仮名) / 山本周五郎(著)