“おくび”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
48.0%
20.4%
噯気17.3%
5.1%
曖気2.0%
小欠2.0%
吹呿1.0%
1.0%
噫気1.0%
噯氣1.0%
御頸1.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
つまりは持地が三倍もの価でうれた当今の人間の腹からこそひとりでに出るおくびのようなものだと、余りいい気持でもきけないわけである。
昔の火事 (新字新仮名) / 宮本百合子(著)
私は先ず胸を撫で降ろし自分の空腹は仕方がないのでおくびにも出さず、再び一郎の手を引くと、音痴な声を張上げ、「箱根の山は天下の険」
箱根の山 (新字新仮名) / 田中英光(著)
彼の貪食ぶりは言語に絶した壮観で、挑みかかるようにありったけのものを喰いつくすと、喉を鳴らして遠慮なく噯気おくびをした。
黒い手帳 (新字新仮名) / 久生十蘭(著)
家で知ってる人なぞは、元はれっきとしたばくち打ちだったらしいが、おくびにもそんな処は出さねえぞ。おやおや、この人達は土足であがりやがって。まあ呆れ返った。
沓掛時次郎 三幕十場 (新字新仮名) / 長谷川伸(著)
と正木博士は曖気おくびをしながらり返った。
ドグラ・マグラ (新字新仮名) / 夢野久作(著)
年をとるなんて、相川に言わせると、そんなことは小欠おくびにも出したくなかった。昔の束髪連そくはつれんなぞがあおい顔をして、光沢つやも失くなって、まるで老婆然おばあさんぜんとした容子ようすを見ると、他事ひとごとでも腹が立つ。
並木 (新字新仮名) / 島崎藤村(著)
吹呿おくびのまぎれ、辻賣はつぶやくけはひ。
泣菫詩抄 (旧字旧仮名) / 薄田泣菫(著)
物がたり吹呿おくびまじりに
泣菫詩抄 (旧字旧仮名) / 薄田泣菫(著)
芸者をしている娘から仕送ってもらっていることなどは、おくびにも出さなかった。
縮図 (新字新仮名) / 徳田秋声(著)
岡田が洋行の事を噫気おくびにも出さぬので、僕は色々話したい事のあるのをこらえて、石原と岡田との間に交換せられる競漕きょうそうの経歴談などに耳を傾けていた。
(新字新仮名) / 森鴎外(著)
おちかは二度と會ひに來ず、腹では煮えかへる思ひをしながら息子のことは噯氣おくびにも出さずに暮して來た。
第一義の道 (旧字旧仮名) / 島木健作(著)
この御頸おくびけたたまの名をミクラタナの神と申します。次に月讀つくよみの命に、「あなたは夜の世界をお治めなさい」と仰せになり、スサノヲの命には、「海上をお治めなさい」と仰せになりました。