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いつぷ
雨の
日のつれ/″\に、
佛、
教へてのたまはく、
昔某の
國に
一婦ありて
女を
生めり。
此の
婦恰も
弱竹の
如くにして、
生れし
女玉の
如し。
然るに、この貫一はどうか!
一端男と生れながら、高が
一婦の愛を失つたが為に、志を
挫いて一生を誤り、
餓鬼の如き
振舞を為て恥とも思はず、非道を働いて暴利を
貪るの外は何も知らん。
牛屋の
手間取、
牛切りの
若いもの、
一婦を
娶る、と
云ふのがはじまり。
漸と
女房にありついたは
見つけものであるが、
其の
婦(
奇醜)とある。