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ひっしょ
と続いた、
手ぼう蟹は、
夥間の穴の上を
冷飯草履、両足をしゃちこばらせて、舞鶴の紋の白い、
萌黄の、これも
大包。夜具を入れたのを
引背負ったは、民が
塗炭に
苦んだ、戦国時代の
駆落めく。
やがて
孫呉空が雲の上を
曳々声で
引背負ったほどな芭蕉を一枚、ずるずると切出すと、
芬と
真蒼な
香が樹の中に
籠って、草の上を引いて来たが——全身
引くるまって乗っかった程に
大いのである。
言わっしゃったで、一風呂敷と夜具包みを
引背負って出向いたがよ。