“はねつるべ”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
桔槹36.0%
撥釣瓶24.0%
刎釣瓶20.0%
桔橰8.0%
撥釣籠4.0%
桔皐4.0%
4.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
米友は早くも、道庵の背中の上の切石をはね飛ばして、それを介抱をしようとすると、道庵が桔槹はねつるべのように飛び上りました。
大菩薩峠:24 流転の巻 (新字新仮名) / 中里介山(著)
痩せこけて背のひょろ長いミチャイ小父が轅馬の背中へ這いあがったが、その恰好はまるで村の鐘楼しょうろうか、否それよりも、井戸の撥釣瓶はねつるべそっくりだった。
かたわらなる苫屋の背戸に、緑を染めた青菜の畠、結いめぐらした蘆垣あしがきも、船も、岩も、ただなだらかな面平おもたいらに、空に躍った刎釣瓶はねつるべも、もやを放れぬ黒いいとすじ
悪獣篇 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
桔橰はねつるべから水を汲んで、眞ツ蒼に苔の蒸した石疊の井戸端で、米を洗つてゐた赤い襷の乙女は、自分たち父子おやこの姿を見ると、周章てて籾を乾した蓆に蹴躓づきつゝ
父の婚礼 (旧字旧仮名) / 上司小剣(著)
と、撥釣籠はねつるべの向方の、夕陽をまともに浴びて赤く光つてゐる離室はなれの障子に向つて、救けでも呼ぶかのやうに叫んだ。——昼寝の夢がたくましいのか? 呼んでも呼んでも小鐘の返事はなかつた。
いっそこうしたがよかろうと、はねつるべの仕方を伝授したものだ。
艸木虫魚 (新字新仮名) / 薄田泣菫(著)