“桔橰”の読み方と例文
読み方割合
はねつるべ100.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
秋の霧の深い朝には、桔橰はねつるべのギイと鳴る音がして茘子れいしの黄いろいのが垣から口を開いている。琴の音などもおりおり聞こえた。
田舎教師 (新字新仮名) / 田山花袋(著)
桔橰はねつるべから水を汲んで、眞ツ蒼に苔の蒸した石疊の井戸端で、米を洗つてゐた赤い襷の乙女は、自分たち父子おやこの姿を見ると、周章てて籾を乾した蓆に蹴躓づきつゝ
父の婚礼 (旧字旧仮名) / 上司小剣(著)
豪農の家のかしの垣の向こうにやなぎの生えた小川があって、そこに高等二年生で一番できる女生徒の家があることをも知った。その家には草の茂った井戸があって桔橰はねつるべがかかっていた。
田舎教師 (新字新仮名) / 田山花袋(著)