“はっけんでん”の漢字の書き方と例文
語句割合
八犬伝100.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
この曲玉は馬琴ばきんが、八犬伝はっけんでんの中で、八百比丘尼妙椿やおびくにみょうちんを出すのに借用した。が、垂仁朝すいにんちょうの貉は、ただ肚裡とり明珠めいしゆを蔵しただけで、後世の貉の如く変化へんげ自在をきわめた訳ではない。
(新字新仮名) / 芥川竜之介(著)
始めて六尺横町ろくしゃくよこちょうの貸本屋から昔のままなる木版刷もくはんずりの『八犬伝はっけんでん』を借りて読んだ当時、子供心の私には何ともいえない神秘の趣を示した氷川ひかわの流れと大塚の森も取払われるに間もあるまい。
伝通院 (新字新仮名) / 永井荷風(著)
いったい自分はそのころから陰気なたちで、こんな騒ぎがおもしろくないから、いつものようによいのうちいいかげんごちそうを食ってしまうと奥の蔵の間へ行って戸棚とだなから八犬伝はっけんでん
竜舌蘭 (新字新仮名) / 寺田寅彦(著)