“なまぬる”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
生温81.9%
生暖10.3%
微温5.2%
生緩1.7%
生鈍0.9%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
ちらと乾雲の刃を見ると、人を斬らずにはいられなくなる左膳、このごろでは彼は、夜生温なまぬるい血しぶきを浴びることによってのみ
丹下左膳:01 乾雲坤竜の巻 (新字新仮名) / 林不忘(著)
そこから暗く生暖なまぬるい、まるで何かの胎内ででもあるかのような——それでいて、妙にあかみを帯びた闇が始まっていた。
黒死館殺人事件 (新字新仮名) / 小栗虫太郎(著)
で、た私は起き上った。微温なまぬるい風が麦畠を渡って来ると、私の髪の毛は額へおおかぶさるように成った。復た帽子を冠って、歩き廻った。
千曲川のスケッチ (新字新仮名) / 島崎藤村(著)
併し色が生白なまつちらけて眉毛がチヨロけて眼尻が垂れ、ちつと失礼の云分だがやまと文庫の挿絵の槃特はんどくに何処かてゐた。第一いやな眼付をして生緩なまぬるくちかれるとぞうつと身震が出る。
犬物語 (新字旧仮名) / 内田魯庵(著)
芸妓の生鈍なまぬるい肉声に歌われて、いわゆる緑酒りょくしゅ紅燈の濁った空気の中に、何の威厳もなく、何の情趣も無しに迷っているのに較べると
綺堂むかし語り (新字新仮名) / 岡本綺堂(著)
こんな生鈍なまぬるい汽車でよく戦争が出来たものだと云う人もある。なにか故障が出来たのだろうと弁護する人もある。戦争中にあまり激しく使われたので、汽車も疲れたのだろうと云う人もある。
綺堂むかし語り (新字新仮名) / 岡本綺堂(著)