“なた”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
93.1%
山刀3.9%
1.0%
鉈刀1.0%
1.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
腰になたのような物を差した農夫の影は、縄のはしを口にくわえ、老猿ろうえんのように、もう中腹の灌木に手をかけていた。そして上から
私本太平記:04 帝獄帖 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
と一人が声をひそめて、仲間のものを見返る。仲間のものは、各自めいめいに竹槍と、山刀なたとを持っていた。今、物を言った一人は、本籠もとごめの二連発銃を持っていた。
悪魔 (新字新仮名) / 小川未明(著)
此団扇をかざして立つた姿勢がい。流石さすが専門家はちがひますね。茲所こゝに気がいたものだ。光線が顔へあたる具合がうまい。かげと日なた段落だんらく確然かつきりして——顔丈でも非常に面白い変化がある
三四郎 (新字旧仮名) / 夏目漱石(著)
普通犬の鳴き声というものは、後も先も鉈刀なたち切った薪雑木まきざつぼうを長くいだ直線的の声である。今聞く唸り声はそんなに簡単な無造作むぞうさの者ではない。
琴のそら音 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
「元来くびというものはギスギスと斬るさえ難かしいものです。しかるにこれは美事にスパリとやられてます。まあなたとか昔の首斬斧とか、または古代の両刄のつるぎなら出来ますが」