“なぐさめ”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
慰藉48.1%
25.9%
安慰7.4%
慰安7.4%
心慰3.7%
慰問3.7%
慰藉品3.7%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
せめてもの慰藉なぐさめにしようと試みるのであったが、しかし何となくその身の行末空恐そらおそろしく、ああ人間もこうなってはもうおしまいだ。
妾宅 (新字新仮名) / 永井荷風(著)
偶然二階の彼女の部屋に行つてさういふところを見ると、私も言ひしれぬ寂しさを感じなぐさめの言葉も出ない事がよくあつた。
智恵子抄 (新字旧仮名) / 高村光太郎(著)
彼はやうやく教義を探り、この中に安慰なぐさめを求めんとしたりしたが、この事も亦た彼を失望せしめたり、教にありて世を渡るといふなる信者づれも苟且かりそめの思ひ定めにて
トルストイ伯 (新字旧仮名) / 北村透谷(著)
ああ、せめてかわりに、休息と慰安なぐさめ、それでもほしい。
さうしてその心配が、時にとつては、——せん枝にも、久保田君にも——一種の道樂に等しい心慰なぐさめである。心配のなりゆきを考へる時、希望に似た胸のときめきがあるに違ひ無い。
しているうちに、何か事でも起ると困るから慰問なぐさめかたがたつなぎにやっておいた
虞美人草 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
と禿頭は玻璃棚ガラスだなからクルクルと巻いたのを出しては店先にひろげた。子供には想像もつかない遠い遠いメリケンから海を渡って来た奇妙な慰藉品なぐさめを私はどんなに憧憬あこがれをもって見たろう。
山の手の子 (新字新仮名) / 水上滝太郎(著)