“とうぼう”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
逃亡46.2%
悼亡15.4%
刀鋩7.7%
東房7.7%
東方7.7%
沓茫7.7%
藤某7.7%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
あの者は、源氏閣げんじかくの上より逃亡とうぼうして、そのゆくえ知れずになっていた咲耶子さくやこという不敵ふてきな女、ことに、浜松城はままつじょうし立てることになっている罪人ざいにんじゃ。
神州天馬侠 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
訪問は見合せる事にしたが、昨日きのうの新橋事件を思い出すと、どうも浩さんの事が気に掛ってならない。何らかの手段で親友をとむらってやらねばならん。悼亡とうぼうの句などは出来るがらでない。
趣味の遺伝 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
パッ! 伸び来る刀鋩とうぼうを柄で叩くが早いか、側転! そのまま打ちおろして、手をかけた障子が自ら滑り出したように思わずくうを泳いでいた栄三郎を
丹下左膳:01 乾雲坤竜の巻 (新字新仮名) / 林不忘(著)
泰軒の刀鋩とうぼうが、轟玄八のひばらを刺したのだ。
丹下左膳:01 乾雲坤竜の巻 (新字新仮名) / 林不忘(著)
四辺あたりは真暗に暮れてしまって雨気あまけをふくんだ風が出た。李張は何時いつの間にか邸内へ入り、燭の見えている東房とうぼうの方へ往って、そこの窓から内をのぞいてみた。
悪僧 (新字新仮名) / 田中貢太郎(著)
彼は女のさがって往くへやはどこだろうと考えたあげく、西房せいぼうの方へ往ってその窓からのぞいた。東房とうぼうからさがって来た夫人が物悩ましそうに坐って耳をますようにしていた。
悪僧 (新字新仮名) / 田中貢太郎(著)
この時日は既に万家ばんかむねに没しても、余残なごりの影をとどめて、西の半天を薄紅梅にそめた。顧みて東方とうぼうの半天を眺むれば、淡々あっさりとあがった水色、諦視ながめつめたら宵星よいぼしの一つ二つはほじり出せそうな空合そらあい
浮雲 (新字新仮名) / 二葉亭四迷(著)
峠のトンネルを抜けて、沓茫とうぼうとした軽井沢の高原へ出ると、いままで汽車の窓から見た風物とは、衣物の表と裏のように、はっきりと彩を変えていた。
酒徒漂泊 (新字新仮名) / 佐藤垢石(著)
「我藩士彦君。温性而雄志。」士彦は寛政十一年生で、戊子には三十歳であつた。「君劣卅平頭。少於吾廿二。」士彦は曾て菅茶山の塾にゐて、後に藤某とうぼうの門に入つた。
伊沢蘭軒 (新字旧仮名) / 森鴎外(著)