“つくば”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
筑波56.8%
18.9%
15.8%
莵玖波2.1%
蹲踞1.1%
月波1.1%
筑波山1.1%
跪座1.1%
1.1%
蹲跪1.1%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
その以前、筑波つくば騒動の時、武田伊賀守(耕雲斎)が幕府へ向けて、騒動を鎮めるための軍用金として借受けた三万両の金がありました。
大菩薩峠:18 安房の国の巻 (新字新仮名) / 中里介山(著)
左衛門尉は馬に乗つてつて来た。石黒氏は阿父おとつさんに催促せられて慌てて頭を下げてゐた。左衛門尉は自分の前にきのこのやうにつくばつてゐるこの二人に目をつけた。
暇があるからだと云って、長次郎が松葉を敷いてくれたつくばいのあたりを見れば、敷松葉のさかいにしてある、太い縄の上に霜がまだらに降っている。
青年 (新字新仮名) / 森鴎外(著)
ゆくゆくは奏覧にも供へ、また二条摂政さま(良基よしもと)の莵玖波つくば集の後をけて勅撰ちょくせん御沙汰ごさたも拝したいものとひそかに思定おもいさだめておいでの模様で、いたくこの集のことをお心に掛けてございました。
雪の宿り (新字旧仮名) / 神西清(著)
主人は月の二十一日には、きまつたやうにお大師参りをする。お大師参りの途中には、薄汚い、物貰ひが居て、蝦蟇がまのやうに土の上にかい蹲踞つくばつてゐた。
頭取はそこらに蝦蟇かへるのやうに蹲踞つくばつてゐる人達を掻き分けるやうにして前へ膝行にじり出した。
豊吉のいった通り、浅草寺の入相の鐘が秋の雲に高くひびいて、紫という筑波山つくばの姿も、暮れかかった川上の遠い空に、薄黒く沈んでみえた。堤下どてしたの田圃には秋の蛙が枯れがれに鳴いていた。
両国の秋 (新字新仮名) / 岡本綺堂(著)
すぐに突き飛ばされ意気地いくじなくよろめいたが、一緒に小屋の片隅へ集まりそこへおとなしく跪座つくばった。そうしてそこから焚火越しに山吹の顔を見守った。一人の女と五匹の狼。
八ヶ嶽の魔神 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
「フフン、犬ッ、——猿ッ、いえ、犬だって猿だって、お前よりはしだよ。人前でこそ男一匹らしい口をきくが、三月前までは私の前に這いつくばって、散々御機嫌を取ったお前じゃないか」
天保の飛行術 (新字新仮名) / 野村胡堂(著)
「ですけど、私だって、そう気長に構えてもいられませんからね。」と寝衣姿ねまきすがたのまま自分の枕頭まくらもと蹲跪つくばって、煙管をポンポン敲いた。「あの人の体だって、出て来てからどうなるか解りゃしない。」
新世帯 (新字新仮名) / 徳田秋声(著)