“たもと”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
97.2%
1.5%
0.5%
衣袂0.3%
徘徊0.1%
0.1%
田本0.1%
0.1%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
晩春の黄昏たそがれだったと思う。半太夫は腕組みをし、棒のように立って空を見あげており、その脇でお雪が、たもとで顔をおおって泣いていた。
あるかれは、わか時分じぶん下宿げしゅくしていたことのあるところとおりました。はしたもとにあった食堂しょくどうは、もうそこになかった。
風はささやく (新字新仮名) / 小川未明(著)
するとそのたもとを素早く掴んだ若旦那様は、お八代さんを又、ドッカリと畳の上に引据えまして、やはりギョロギョロと顔を見ておられたと思うと
ドグラ・マグラ (新字新仮名) / 夢野久作(著)
紅蓮白蓮のにほひゆかしく衣袂たもとに裾に薫り来て、浮葉に露の玉ゆらぎ立葉に風のそよける面白の夏の眺望ながめは、赤蜻蛉菱藻ひしもなぶり初霜向ふが岡の樹梢こずゑを染めてより全然さらりと無くなつたれど
五重塔 (新字旧仮名) / 幸田露伴(著)
子供一人菓子も投げねば長き鼻をダラリブラリと象徘徊たもとほる
河馬 (旧字旧仮名) / 中島敦(著)
徘徊たもとほる象の細目ほそめさか諦觀あきらめの色ものうげに見ゆ
河馬 (旧字旧仮名) / 中島敦(著)
平次は由兵衛のたもとを押えました。ここで何か言い出されては、何もかもいけなくなってしまいます。
翌四日は鴻巣こうのす田本たもと中食ちゅうじきです。
塩原多助一代記 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
さすがに母親おふくろは源のことが案じられて堪りません。海の口村の出はずれまで尋ねて参りますと、丁度源が鹿の湯の方から帰って来たところで、二人は橋のたもとで行逢いました。
藁草履 (新字新仮名) / 島崎藤村(著)