“たそが”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
黄昏98.9%
誰彼1.1%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
「宇治だの」範宴はんえんは立ちどまった。足の下を迅い水音が聞える。やっと、黄昏たそがれに迫って、この宇治川の大橋へかかったのであった。
親鸞 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
と子供の声も黄昏たそがれて水底みなそこのように初秋の夕霧が流れ渡る町々にチラチラとともしびがともるとどこかで三味線の音がかすかに聞え出した。
山の手の子 (新字新仮名) / 水上滝太郎(著)
と、親仁がもっともらしい顔色かおつきして、ニヤリともしないでほざくと、女どもはどっと笑って、線香の煙の黒い、吹上げのしぶきの白い、誰彼たそがれのような中へ、びしょびしょと入ってく。
妖術 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)