“せいそく”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
棲息74.1%
悽惻5.6%
栖息5.6%
生息5.6%
正則3.7%
凄惻1.9%
聲息1.9%
静息1.9%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
気圧の低くなった硝子鐘ガラスがねのなかに棲息せいそくするモルモットの能力について、これから一時間毎に、観測をしてゆこうというのだった。
恐しき通夜 (新字新仮名) / 海野十三(著)
ひそかに部屋の戸を開きて外にいづれば悽惻せいそくとして情人未だ去らず、泣いて遠国につれよとくどく時に、清十郎は親方のなさけにしがらまれて得いらへず、然るを女の狂愛の甚しきにかされて
「歌念仏」を読みて (新字旧仮名) / 北村透谷(著)
生滅々為して地上に栖息せいそくしている人の記録は昔と今と余り変りが無いともいえる。今行幸道路を隔てて見ゆる海上ビルデングのあたりには松平豊前ぶぜんが住まっていた。
丸の内 (新字新仮名) / 高浜虚子(著)
普通の人類の生息せいそくする娑婆しゃばへ出たのだ、文明に必要なる着物をきるのだ。従って人間らしい行動をとらなければならんはずである。今主人が踏んでいるところは敷居である。
吾輩は猫である (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
私と同様出京して正則せいそく英語学校に通っていた従弟いとこが、ある日日本橋を歩いていて握鮓にぎりずしの屋台に入り、三つばかり食ってから、蝦蟇口がまぐちに二銭しかなくて苦しんだ話をしたことがある。
三筋町界隈 (新字新仮名) / 斎藤茂吉(著)
何という凄惻せいそくの悲史であろう。同じ操觚そうこに携わるものは涙なしには読む事が出来ない。
八犬伝談余 (新字新仮名) / 内田魯庵(著)
〔評〕官軍江戸をつ、關西諸侯兵を出して之に從ふ。是より先き尾藩びはん宗家そうけたすけんと欲する者ありて、ひそかに聲息せいそくを江戸につうず。
ふうむ、俺が、もぐって来たのを、俺と知らずに、静息せいそくの法で、を隠したな!
雪之丞変化 (新字新仮名) / 三上於菟吉(著)