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しんばつ
それは
神木である
御蔭じゃ。
俺の
外にこの
銀杏には
神様の
御眷族が
多数附いて
居られる。
若しいささかでもこれに
暴行を
加えようものなら、
立所に
神罰が
降るであろう。
神事をはれば人々
離散して普光寺に入り、
初棄置たる
衣類懐中物を
視るに
鼻帋一枚だに
失る事なし、
掠れば
即座に
神罰あるゆゑなり。
婦人のなかには
湯具ばかりなるもあれど、
闇処に
噪雑して一人もみだりがましき事をせず、これおの/\
毘沙門天の
神罰を
怖るゆゑなり。