“しで”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
仕出45.2%
死出35.7%
4.8%
為出4.8%
死天2.4%
四手2.4%
幣束2.4%
爲出2.4%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
よくもわずかの間に、とんでもないことを仕出しでかしたものだと、むかしの友人のかわりはてた異様いようなすがたをながめながら、ケンプ博士はくしがたずねた。
うまくランデブーすれば、雄蝉おすぜみ莞爾かんじとして死出しで旅路たびじへと急ぎ、あわれにも木から落ちて死骸しがいを地にさらし、ありとなる。
植物知識 (新字新仮名) / 牧野富太郎(著)
今では紙のしでを附けるもあれば、略するもある。喪主の玉串丈けを稍〻大きくする風はあるが、會葬者一同殆と生前何の懇親もなかつた者迄が出しやばつて、これを柩前に捧げる事になつて居る。
幽霊思想の変遷 (旧字旧仮名) / 柳田国男(著)
其児が人一倍悪戯わるさけて、横着で、時にはその生先おひさきが危まれる様な事まで為出しでかす為には違ひないが、一つは渠の性質に、其麽そんな事をして或る感情の満足を求めると言つた様なところがあるのと、又
足跡 (新字旧仮名) / 石川啄木(著)
先代が格別入懇じっこんにせられた家柄で、死天しでの旅のお供にさえ立ったのだから、家中のものがうらやみはしてもねたみはしない。
阿部一族 (新字新仮名) / 森鴎外(著)
泰平たいへいの世の江戸参勤のお供、いざ戦争というときの陣中へのお供と同じことで、死天しでの山三途さんずの川のお供をするにもぜひ殿様のお許しを得なくてはならない。
阿部一族 (新字新仮名) / 森鴎外(著)
返ラヌ道ト成ヌルコソかなシケレ、セメテこれニテ腹切テ四手しでノ山トヤランノ御供スベシ、急ギ介錯セヨト有シカバ、後見ノ男申様まうすやうハ、合戦ノ御負おんまけハ疑ナシ、敗軍ノ兵ドモ昨日今日引モ切ラズ馳セ参候
聞書抄:第二盲目物語 (新字新仮名) / 谷崎潤一郎(著)
幣束しでも要る、みんなと相談して調ととのえてくれ
海神に祈る (新字新仮名) / 田中貢太郎(著)
爲出しでかしやせんかと思ふとつた。これからは夜遲くまでランプを點けて置かせんやうにしませう。勝も他所よそへ行つて辰一人が二階に居ることになると不用心で仕樣がないから。
入江のほとり (旧字旧仮名) / 正宗白鳥(著)