“雄蝉”の読み方と例文
読み方割合
おすぜみ100.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
うまくランデブーすれば、雄蝉おすぜみ莞爾かんじとして死出しで旅路たびじへと急ぎ、あわれにも木から落ちて死骸しがいを地にさらし、ありとなる。
植物知識 (新字新仮名) / 牧野富太郎(著)
動物が子孫をぐべき子供のために、その全生涯をささげていることはせみの例でもよくわかる。暑い夏に鳴きつづけているせみ雄蝉おすぜみであって、一生懸命いっしょうけんめい雌蝉めすぜみを呼んでいるのである。
植物知識 (新字新仮名) / 牧野富太郎(著)
しかし雌蝉めすぜみは卵を生むまでは生き残るが、卵を生むが最後、雄蝉おすぜみあとを追って死んでゆく。いわゆるせみと生まれて地上にでては、まったく生殖のために全力を打ち込んだわけだ。
植物知識 (新字新仮名) / 牧野富太郎(著)