“くつつ”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
密着25.0%
附着20.0%
密接15.0%
食付10.0%
喰付10.0%
氷着10.0%
密著5.0%
密通5.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
特に濡れた白襦袢一枚のぴつたりと身に密着くつついて、殆んど骨ばかりの人間が岩上に佇んで居るとしか見えない。
古い村 (旧字旧仮名) / 若山牧水(著)
反身そりみ手足てあしをだらりとげて、自分じぶん身躰からだ天井てんじやう附着くつつく、とおもふとはつとめる、……けないのです。
神鑿 (新字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
無理だ、電車と菊池君を密接くつつけるのは無理だ……。
菊池君 (新字旧仮名) / 石川啄木(著)
「昔々」と云へばすで太古緬邈たいこめんばくの世だから、小指ほどの一寸法師いつすんぼふしが住んでゐても、竹の中からお姫様が生れて来ても、格別かくべつ矛盾むじゆんの感じが起らない。そこであらかじめ前へ「昔々」と食付くつつけたのである。
澄江堂雑記 (新字旧仮名) / 芥川竜之介(著)
何有なあに、私なんかモウお婆さんで、夫の側に喰付くつついてゐたい齢でもありません。』と笑つてゐる。
鳥影 (新字旧仮名) / 石川啄木(著)
何気なしに取上げた銀鍍金めつき石鹸函しやぼんばこは指に氷着くつつく、廊下の舗板しきいたが足を移す毎にキシ/\と鳴く、熱過ぎる程の湯は、顔を洗つて了ふまでに夏の川水位に冷えた。
菊池君 (新字旧仮名) / 石川啄木(著)
何だか私自身の側にその死神でも密著くつついてゐる樣で、雨に濡れた五體が今更にうす寒くなつて來た。をり/\私の顏をぬすみ見する人たちの眼にも今までと違つた眞劍さが見えて來た樣だ。
熊野奈智山 (旧字旧仮名) / 若山牧水(著)
くわつと急き込みながら『なるほど今は女房じやない。離縁さつたのは覚えてゐる。が己れが離縁らないその内から、密通くつついてゐた男があらふ』
したゆく水 (新字旧仮名) / 清水紫琴(著)