“かさや”の漢字の書き方と例文
語句割合
傘屋100.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
柘榴口ざくろぐちからながしへ春重はるしげ様子ようすには、いつもとおりの、みょうねばりッからみついていて、傘屋かさや金蔵きんぞう心持こころもちを、ぞッとするほどくらくさせずにはおかなかった。
おせん (新字新仮名) / 邦枝完二(著)
学校の門前もんぜんを車は通り抜けた。そこに傘屋かさやがあった。家中うちじゅうを油紙やしぶ皿や糸や道具などで散らかして、そのまんなかに五十ぐらいの中爺ちゅうおやじがせっせと傘を張っていた。
田舎教師 (新字新仮名) / 田山花袋(著)
傍らにまばらに置かれてある絵具皿やすずりや筆を思えば、それが糊口ここうをしのぐ貧しい業であったことが分る。丁度私たちの町々に、今も傘屋かさや提灯屋ちょうちんやが店先で売りつつ仕事を急いでいるのと同じである。
民芸四十年 (新字新仮名) / 柳宗悦(著)