“いまど”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
今戸94.1%
今渡5.9%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
変死のうちでも、雷死は検視をしないことになっているので、お朝の死骸はあくる日のゆう方、今戸いまど菩提寺ぼだいじへ送られてかたのごとく葬られた。
半七捕物帳:34 雷獣と蛇 (新字新仮名) / 岡本綺堂(著)
今戸いまどわたしと云う名ばかりは流石さすがゆかし。山谷堀さんやぼりに上がれば雨はら/\と降り来るも場所柄なれば面白き心地もせらる。
半日ある記 (新字新仮名) / 寺田寅彦(著)
一、荷物送り出しの節、心安き牛方にても、初めて参りそうろう牛方にても、同様に御扱い下され、すべて今渡いまどの問屋同様に、依怙贔屓えこひいきなきよう願いたきこと。
夜明け前:01 第一部上 (新字新仮名) / 島崎藤村(著)
この界隈かいわいに顔を知られている牛行司うしぎょうじ利三郎だ。その牛行司は福島から積んで来た荷物の監督をして、美濃みの今渡いまどへの通し荷を出そうとしているところであった。
夜明け前:01 第一部上 (新字新仮名) / 島崎藤村(著)
もっと他の問屋に頼みたい、そのことはもう四、五年も前から、下海道しもかいどう辺の問屋でも今渡いまど(水陸荷物の集散地)の問屋仲間でも、荷主まで一緒になって、みんな申し合わせをしたことよなし。
夜明け前:01 第一部上 (新字新仮名) / 島崎藤村(著)
万屋安兵衛よろずややすべえ大和屋李助やまとやりすけ、その他、一時は下海道辺の問屋から今渡いまどの問屋仲間を相手にこの界隈かいわいの入り荷出荷でにとも一手に引き受けて牛方事件の紛争まで引き起こした旧問屋角屋かどや十兵衛の店などは
夜明け前:03 第二部上 (新字新仮名) / 島崎藤村(著)