骨仏こつぼとけ
床ずれがひどくなって寝がえりもできない。梶井はあおのけに寝たまま、半蔀の上の山深い五寸ばかりの空の色を横眼で眺めていると、伊良がいつものように、「きょうはどうです」と見舞いにきた。 疎開先で看とるものもなく死にかけているのをあわれに思うかし …