空中に消えた兵曹くうちゅうにきえたへいそう
大正七八年比のことであった。横須賀航空隊のN大尉とS中尉は、それぞれ陸上偵察機を操縦してA飛行場に向けて長距離飛行を行い、目的地に到著して機翼をやすめるひまもなく、直ちに帰還の途についた。 両機は一千米の高度を保ちながら雁行していたが、箱根 …