くるま
私が九つの秋であった、父上が役を御やめになって家族一同郷里の田舎へ引移る事になった。勿論その頃はまだ東海道鉄道は全通しておらず、どうしても横浜から神戸まで船に乗らねばならぬ。が、困った事には父上の外は揃いも揃うた船嫌いで海を見るともう頭痛が …
題名が同じ作品
(新字旧仮名)宮沢賢治 (著)