それは小岩井農場こいわいのうじょうの南、あのゆるやかな七つ森のいちばん西のはずれの西がわでした。かれ草の中に二本のうずのしゅげが、もうその黒いやわらかな花をつけていました。
おきなぐさ (新字新仮名) / 宮沢賢治(著)