暖い日はいいとして、安達太郎山颪あだたらおろしの吹き荒ぶ日の楮さらしは、時に、漉き手よりも辛い作業になるのであった。東南の村境を阿武隈川が流れている。
和紙 (新字新仮名) / 東野辺薫(著)