危惧心きぐしん)” の例文
嫁にいこうがどうしようが、民子は依然民子で、僕が民子を思う心に寸分の変りない様に民子にも決して変りない様に思われて、その観念は殆ど大石の上に坐して居る様で毛の先ほどの危惧心きぐしんもない。
野菊の墓 (新字新仮名) / 伊藤左千夫(著)