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『春は馬車に乗って』
ふりがな文庫
『
春は馬車に乗って
(
はるはばしゃにのって
)
』
海浜の松が凩(こがらし)に鳴り始めた。庭の片隅(かたすみ)で一叢(ひとむら)の小さなダリヤが縮んでいった。 彼は妻の寝ている寝台の傍(そば)から、泉水の中の鈍い亀の姿を眺(なが)めていた。亀が泳ぐと、水面から輝(て)り返された明るい水影が、 …
著者
横光利一
ジャンル
文学 > 日本文学 > 小説 物語
文字種別
新字新仮名
読書目安時間
約22分(500文字/分)
朗読目安時間
約37分(300文字/分)