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『室生犀星に就いて』
ふりがな文庫
『
室生犀星に就いて
(
むろうさいせいについて
)
』
たいていの文學者は、何かの動物に譬へられる。例へば佐藤春夫は鹿であり、芥川龍之介は狐であり、谷崎潤一郎は豹であり、辻潤は山猫の族である。ところで、同じ比喩を言ふならば、室生犀星は蝙蝠である。彼はいつでも、自分だけの暗い洞窟に隱れてゐる。彼は …
著者
萩原朔太郎
ジャンル
文学 > 日本文学 > 評論 エッセイ 随筆
初出
「春陽堂月報 第二十九號」1929(昭和4)年10月号
文字種別
旧字旧仮名
読書目安時間
約5分(500文字/分)
朗読目安時間
約8分(300文字/分)