明治三十六年の秋であつたと思ひますが、東京美術学校の教室で、古画の模写の時間に机を並べて居たのは、小林波之輔君といふ珍らしい秀才でありました。其時小林君は雪舟筆四季山水を写してゐた事を記憶して居ますが、自分は何を写してゐたか覚えて居りません …
著者 | 小村雪岱 |
ジャンル | 文学 > 日本文学 > 評論 エッセイ 随筆 |
初出 | 「図書 第5年第50号 泉鏡花号」1940(昭和15)年3月5日 |
文字種別 | 新字旧仮名 |
読書目安時間 | 約3分(500文字/分) |
朗読目安時間 | 約5分(300文字/分) |