「蛸壺」の句「たこつぼ」のく
蛸壺やはかなき夢を夏の月 この句は先験的連想の世界に人を羽化登仙させる句であると自分には思われる。夏の海に潜って、水底で眼を開いて蒼白い水面を下から仰いだ時の色が、この句の基調をなしているように感ぜられる。 この句のすぐ前に 須磨寺や吹かぬ …