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『身上話』
ふりがな文庫
『
身上話
(
みのうえばなし
)
』
「御勉強。」 障子の外から、小聲で云ふのである。 「誰だ。音をさせないで梯を登つて、廊下を歩いて來るなんて、怪しい奴だな。」 「わたくし。」 障子が二三寸開いて、貧血な顏の切目の長い目が覗く。微笑んでゐる口の薄赤い唇の奧から、眞つ白い細く揃 …
著者
森鴎外
ジャンル
文学 > 日本文学 > 小説 物語
初出
「新潮 第十三卷第五號」1910(明治43)年11月1日
文字種別
旧字旧仮名
読書目安時間
約16分(500文字/分)
朗読目安時間
約26分(300文字/分)