身上話みのうえばなし
「御勉強。」 障子の外から、小聲で云ふのである。 「誰だ。音をさせないで梯を登つて、廊下を歩いて來るなんて、怪しい奴だな。」 「わたくし。」 障子が二三寸開いて、貧血な顏の切目の長い目が覗く。微笑んでゐる口の薄赤い唇の奧から、眞つ白い細く揃 …