梶井基次郎氏が死んだ。——氏の生の論理もたうとう往きつく処まで往きついた。それはもはや何ものも語らない。在るものは寂寞ばかりだ。まことに死は現実の極点であらう。氏は最後のその死を死んだ。そこからはもはや何にも始まらない。唯現在、何かが始まる …
著者 | 菱山修三 |
ジャンル | 文学 > 日本文学 > 日本文学 |
初出 | 「作品 第二十五號」作品社、1932(昭和7)年5月1日 |
文字種別 | 新字旧仮名 |
読書目安時間 | 約4分(500文字/分) |
朗読目安時間 | 約6分(300文字/分) |
作品に特徴的な語句
暗