絶望を与へたる者ぜつぼうをあたえたるもの
文学論と云ふものがある。これは文学界に於ける道徳の役目をするもので、既成作家の作品は、既に此の道徳律に当て嵌められて正しいと看做されたるものなるが故に、正しいのである。古くとも正しいものと云ふものは、その古さの正しさに於て存在の意義を有つ理 …