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『方向』
ふりがな文庫
『
方向
(
ほうこう
)
』
わたしはこの頃しきりに考える 自分というものについて わたしは下宿の二階に兄のくれる金で暮らしている それはわずかな金だ けれども兄の彼が夜ヒル書きつづける血のしたたりなのだ わたしはそれで米や炭をととのえ腹を満たしている わたしの仕事は詩 …
著者
中野鈴子
ジャンル
文学 > 日本文学 > 詩歌
初出
「詩人 第三巻第六号」文学案内社、1936(昭和10)年6月1日
文字種別
新字新仮名
読書目安時間
約2分(500文字/分)
朗読目安時間
約2分(300文字/分)