空林くうりん
山毛欅の林楢の林白樺の林ひと年私は山に住ひ彼らの春の粧ひと 彼らの秋の凋落を見たけれども彼らの裸の姿雪の上のたたずまひこそ わけても私の心にしみる何故だらうそのことわけを問ひながら 今日もまた林に憩ふやうやく私のものとなつたこの手足この老年 …