『尊重すべき困つた代物(そんちょうすべきこまったしろもの):――太宰治に就て――(――だざいおさむについて――)』
「青い花」に出てゐた一見童話風の、しかしその内部には近代人の自己分裂と精神薄弱の自己反省を伴つた現実感を、風の如く、さりげなくしみじみと漂はせて骨格の卑しくないもののあるのを発見したのは一年も前の事であつたらう。題名は今思ひ出せないが、その …