新詩社と石川啄木しんししゃといしかわたくぼく――一つのおぼえ書き――――ひとつのおぼえがき――
お前はきつと新詩社のころの啄木は知つてゐるだらう。かういふ質問を時々受ける。明治四十年代、新詩社は既に解体しながら、その後身とも云ふべき「スバル」に啄木が編集同人をしてゐたころ、十七八の自分は啄木の選歌に応募した事があつた。啄木の外には杢太 …