発端・電話事件ほったん・でんわじけん
夏目漱石は家人のすすめで、やむなく電話を買ったが、うるさいからといってしばらく受話器をはずさせておいたという。自分の方からはかけるが、人からの呼出しには応じないわけである。これは漱石の神経症状のみられたころの奇行として、重大な意味をもたせて …