晩春小曲ばんしゅんしょうきょく
五月のほのかなる葉桜の下を 遠き自動車は走り去る。 わが欲情を吸収する 堀ばたの赤き尖塔よ。 埃立つ道に沿ひて 兵営の白き塀は曲り行く。 …