焦燥しょうそう
母親は煎薬を煎じに行つた 枯れた葦の葉が短かいので。 ひかりが掛布の皺を打つたとき 寝台はあまりに金の唸きであつた 寝台は いきれたつ犬の巣箱の罪をのり超え 大空の堅い眼の下に 幅びろの青葉をあつめ 棄てられた藁の熱を吸ひ たちのぼる巷の中 …