声をあげて泣くこえをあげてなく――私の処女出版――わたしのしょじょしゅっぱん
かつて、「むらさき」という雑誌があった。国文学の関係の雑誌で、時々、ぼくの詩を載せてくれたが、編集長の小笹功氏のあっせんで、昭和十三年の八月に、詩集『思弁の苑』を出した。発行所は、むらさき出版部で、神田の巌松堂書店のなかにあった。詩集の巻頭 …