或る月夜にあるつきよに
おほぞらは、 紫暗の海と澄み渡りて、 真珠の群は、きらきらと、 円けき海月光り流るゝ。 芋の葉むらがりむらがり、 ぬかづける野辺に、 貧しき樹立は微にゆら/\ 葉末のしたゝらすひかりの雫 静かに甘き夢をつゞれる。 …