(上等兵安藤孝雄を憶ふ)(じょうとうへいあんどうたかおをおもう)
友よお前は二十歳 ひととき朔北の風よりも疾く お前の額を貫ぬいて行つたものについては もう考へまい わたしは聞いた大きな秩序のなかに ただはげしい意欲をお前の軍靴の音を わたしの力いつぱいの背のびではとどかない 流れよ幅広い苦悩のうねりよ …