樹樹きぎ
つつましい文字のやうにその指を組み いまじぶんの脚で立つてゐた 空にとどいた梢に 天使のやうな雲がふとつつかかる と 花の咲かない樹樹は そのほそい指のあひだから おびただしいいのちを零した 38.11.20 …