虚しい街むなしいまち
白亜の立体も ひたむきな断面も せつない暗さの底へ沈みつつ 沈みつつ 翳に埋れ 影に支へられ その階段はどこへ果ててゐるのか はかなさに立ちあがり いくたび踏んでみたことだらう 煙のある窓ちかく 自ら扉はひらき そこに立ち去る気配もなかつた …