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『冬至』
ふりがな文庫
『
冬至
(
とうじ
)
』
あをいタイルの浴槽にひたつてゐる。 外は武藏野の風であらうにこの落ちついた心はふるさとを想つてゐる。 ぷち——ぷち ゆぶねのあちこちに月のやうに浮んでゐる橙の實をそつと下から押へる。 兩手の指で押へると種子はあわてゝはねる。いゝ音だ。 冬至 …
著者
桜間中庸
ジャンル
文学 > 日本文学 > 評論 エッセイ 随筆
文字種別
旧字旧仮名
読書目安時間
約1分(500文字/分)
朗読目安時間
約1分(300文字/分)